腰が全体的に重だるい・・・。腰が広範囲で痛い・・・。その痛み、胸腰筋膜が原因かも?
「どこが痛いか指でさせない」腰の広範囲に広がる痛みの謎
「どこかわからないけど、腰全体が重だるい」「腰に広くモヤモヤした痛みがある」・・・そんな症状に悩まされてはいませんか?
病院でレントゲンを撮っても「骨には異常ありません」と言われ、「湿布を貼って様子を見ましょう」で終わってしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、このような範囲の特定しにくい腰全体の痛みには、骨や筋肉そのものではなく、それらを包み込んでいる「胸腰筋膜(きょうようきんまく)」という組織が深く関係していることが、近年の研究で明らかになってきています。
胸腰筋膜って何?
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、胸腰筋膜は腰の安定性において重要な役割を担っています。
この胸腰筋膜は、腰からお尻の上部にかけてグルっと体を覆う形で巻き付いており、腰の筋肉やお尻の筋肉を深く関係しています。
胸腰筋膜は1枚の単純な膜ではなく、複数の層(前・中・後)が折り重なる形の構造をしています。
この多重層構造がうまく機能することで腰の曲げ伸ばしを手助けしているのです。

なぜ腰の痛みに胸腰筋膜が関連しているのか
近年の研究では、慢性的な腰痛を抱えている人とそうでない人を超音波エコーで比較すると、「腰痛がある人は胸腰筋膜の層と層の間の滑り(滑走性)が低下し、膜自体が厚く硬くなっている」ことが報告されています。
胸腰筋膜には痛みを感じるセンサーが豊富に存在したり、腰椎から出る多くの神経が貫くため、滑走性が低下することで広範囲の痛みを感じやすくなるのです。
つまり、痛みを軽減させるためには、胸腰筋膜をうまく動かし、滑走性を出すことが重要なのです。
カギを握る腹横筋と腰方形筋
胸腰筋膜の滑走性を出すために必要である筋肉が腹横筋と腰方形筋です。
胸腰筋膜自体を単独で動かすことは不可能であり、密接に連結している腹横筋と腰方形筋を収縮させることが何より重要です。
腹横筋
お腹の一番深層に位置し、お腹周りをグルっと腹巻きのように覆っている筋肉です。

腰方形筋
骨盤と腰椎を結ぶ筋肉で腰の深層に位置しています。骨盤を引き上げる作用があります。

胸腰筋膜を動かすセルフケア
滑走性を向上させるセルフケアをご紹介します。ポイントは腰椎を曲げたり反ったりすることと、お腹に適度な力を入れることです。
四つ這い運動
1.四つ這いになります。このとき手は肩の真下、膝は股関節の真下に位置するようにします。

2.息を吐きながら腰が天井の方に引き伸ばされるように丸めます。

3.息を吸いながら腰を反っていきます。

4.この動きを2~3分ほど繰り返します。
注意
腰を反った時に痛みが出る場合は胸腰筋膜が原因ではない可能性があります。
その場合は実施しないようにしてください。
ドローイン
1.仰向けに寝転び、膝を立てます。

2.息を吐きながら腰をベッドに近づけるようにお腹に力を入れます。この時 50%ほどの力で行います。

3.3秒ほど力を入れてキープ→緩めるを繰り返します。
4.この動きを2分ほど行います。
骨盤挙上運動
1.座った状態で少し姿勢を正します。
2.腰が痛くない方のお尻に体重を乗せます(写真では向かって右が痛くない方)。

3.骨盤を引き上げるように力を入れます。

4.引き上げる→ゆっくり戻すを10回ほど繰り返します。
まとめ
胸腰筋膜の痛みは日々の姿勢や動作の仕方によって負担が蓄積された結果生じることが多いです。
今回ご紹介したセルフケアについては、その負担をリセットする目的であるため、姿勢や動作が劇的に変わるわけではありません。
「セルフケアすることで一時的に良くなるけど、また痛くなる…。」などの場合は一度受診することをお勧めします。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「腰の痛みが続いている」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。