交通事故・労災
交通事故対応について
交通外傷は「軽傷」でも「軽症」ではありません
交通事故での怪我(以下、交通外傷)には症状のほとんどないものから、 命に係わるものまで幅広くありますが、クリニックに受診される方の多くは「頸椎捻挫(むち打ち)」「打撲」など、 一般的に「軽傷」と呼ばれるケガの方がほとんどです。
目立った外傷や変形がなく、手足の痺れや麻痺などの神経所見もなく、 レントゲン検査で骨折や脱臼もない場合、ほとんど全ての方が「大丈夫です」「特に問題ありません」といった説明を医師から受けます。
こういう場での医師の「大丈夫です」は「手術や入院が必要なほどの重傷ではないので大丈夫です」という枕詞がつきます。
たしかに入院手術が必要なほどの重傷ではありませんが、症状がほとんどなくて治療の必要のない「軽症」という意味ではありません。
医師、特に手術をたくさん行う病院の整形外科医は、重症慣れしているため、手術が必要な重傷例以外は「まぁ大丈夫」と説明してしまうことが多いです。
かくいう私もやまべ整形外科を開院するまではそういう説明をしていました。
というように、医師の説明不足もあり、「大丈夫」という説明を、特に治療の必要がなく症状もすぐに治るものだ、と勘違いされる患者さんが多いです。
- 医師から「大丈夫」と言われたのに、しつこい痛みや不調が続く。
- とてもしんどいのに、自分のしんどさを周りに理解してもらえない。
そんな風に困っている患者さんを本当によく見かけます。
重傷でないけど、軽症ではなく治療が必要な方がほとんどなのが交通外傷の特徴の一つといえます。
かかりつけ医を決め、きちんとした治療を受けましょう。
交通外傷の症状は長引く場合があります
交通外傷による症状は意外と長引くことが知られています。3つほど理由を考えてみました。
- 先述した通り、医療機関で大丈夫といわれたために、受傷後しばらく治療をせずに放置していた。
- 多くが不意打ち、かつ高エネルギーであるため、単純にダメージが大きい。
- 交通事故は事故の大小にかかわらず、肉体だけでなく心にもダメージを負います。
この精神へのダメージは軽視されがちですが、事故後の症状を持続増悪させる原因として重要です。
やはり、受傷後早期にかかりつけ医を決め、きちんとした治療を始めるのが肝要です。”
交通事故後によく見られる症状
- 頸椎捻挫(むちうち)
- 首・背中・腰・手足の痛み、だるい
- 首・腰・手足が動かない、動かない方向がある
- 頭痛・吐き気・めまい
- 手足のしびれ,力が入らない
- なかなか眠れない(睡眠障害)
- 物忘れが多い(記憶力低下)
- 全身が痛い、だるい(倦怠感がある)
- 雨の日に症状が悪化する
当院の交通事故の治療アプローチ
治療間隔
症状にもよりますが、一般的なむち打ち(頸椎捻挫)や腰痛捻挫、打撲などの場合、 症状の強い初期には2日に1回ペース(月15日ほど)、症状が落ち着いてきたら3日に1回ペース(月10日ほど)を推奨することが多いです。
治療期間
だいたい3か月程度で一区切りかと思いますが、症状に応じて5か月から半年ほどかかる方も多いです。
定期的に医師の診察を行いますので、ご安心ください。
治療内容
投薬とマシンでのリハビリテーション(物理療法)で治療することが多いですが、 難治性の場合はブロック注射などの侵襲的な治療や理学療法士と行うオーダーメイドリハビリ(理学療法)、装具療法を加味することもあります。
やまべ整形外科での受診から治療の流れ
やまべ整形外科での一般的な治療の流れを記します。
- 交通事故
- 警察を呼ぶ、などの一般的な対応をする。
- 保険会社に連絡をとり、なるべく早めにクリニックを受診する。
連絡がつかなければ先に受診してもOKです。 - 一階受付で渡される問診票の交通事故欄にチェックを入れる。
- 医師の診察とレントゲン検査をし、診断を受け、治療方針や来院頻度の説明を受ける。
- リハビリが必要な場合、2階に移動し、リハビリ治療の具体的な説明を受ける。
(一般的に初回は説明を受けるだけです) - 一階受付で次回予約日を決め、警察用診断書を受け取る。
- ご自身で選んだ薬局でお薬を受け取る(やまべ整形外科最寄りにもいくつか薬局がございますので、受付でお尋ねください)
- 医師から推奨された通院頻度をなるべく守り治療に専念する。
各種保険による診療
各種保険による診療を取り扱っております。
労働災害保険での受診の方法
業務上(お仕事中)の怪我や傷病、通勤途中の怪我は労働災害保険の対象となります。
受付の際に『労災』である旨をお伝えください。
なお、身分証明のため、保険証等を一度お預かりさせて頂きます。
あらかじめ以下の所定の用紙をご用意ください。
〇業務上(お仕事中)の場合
当院が最初の場合、『様式第5号』
当院が2件目以降(転院の場合)は『様式第6号』
〇通勤途中の場合
当院が最初の場合、『様式第16号の3』
当院が2件目以降(転院の場合)は『様式第16号の4』
所定の用紙がご用意できない場合は、一旦自費でお支払いいただき、所定用紙をご持参された際にご返金させて頂きます。
自賠責保険での受診の方法(交通事故の方)
交通事故で受傷された場合、被害者側であれば、原則として自賠責保険の対象となります。(健康保険証ではありません)
受付の際に『交通事故』である旨をお伝えください。
なお、身分証明のため、保険証等を一度お預かりさせて頂きます。
また、警察へ提出する『警察用診断書』をご希望される場合は、受付の際にお申し出頂き、診察の際に医師へお伝え下さい。
ご来院の前に、保険会社に当院へ通院する旨をご連絡頂ければご負担なくご通院頂けますが、自賠責保険の対象となっていない時点では、自費診療となります。その際は一度ご負担いただく必要があります。
あらかじめ以下の所定の用紙をご用意ください。
〇最初に当院を受診される方
業務上(お仕事中)の怪我は『様式第5様式』
通勤途中は『16号の3』
〇他院に通いその後当院に来られた方
業務上(お仕事中)の怪我は『様式第5様式』
通勤途中は『16号の4』ededed業務上(お仕事中)の怪我は『様式第5様式』
通勤途中は『16号の4』
第三者行為の診療について
自分ではなく、他の人によって負った怪我や傷病のことを第三者の行為による傷病(以下、第三者行為)といいます。
交通事故(自転車事故等)や、けんか・他人の犬に噛まれたなど第三者行為による怪我は自費になります。
治療費は本来、加害者(第三者)に支払ってもらうものですが、一時的に加入している健康保険が立て替え払いをし、その治療費を第三者に請求します。
従って健康保険で治療を受ける場合には、加入している健康保険へ受傷の経緯の届け出(連絡)をして頂きます。
※第三者行為で受診される場合は、加入している健康保険に届け出(連絡)して頂き、担当者のお名前を必ず、ご確認下さい。
ご確認頂きましたら、受付の際に第三者行為である旨、健康保険の担当者のお名前をお伝え下さい。
※日曜祝日などで、加入している健康保険へ受傷の経緯を届け出(連絡)できない場合、一旦自費診療(10割負担)して頂き、後日、確認が取れましたら、受付へお申し出下さい。その際に自費の領収書をご持参下さい。
第三者行為の例
- 交通事故(第三者)による怪我(自転車事故含む)
- けんかによる怪我
- 他人のペット(飼い犬など)に噛まれたことによる怪我
- 他人の料理(お店、購入商品)による食中毒 など
※業務上(仕事や通勤途中)での怪我や傷病は労災保険の取り扱いになりますので、保険証はご使用頂けません。ご注意下さい。
整骨院との併診は?
新自賠責保険の併用は不可です。鍼灸整骨院や整体などで自賠責保険での併診は不可としています。
保険会社から問い合わせがあった場合、事前に併診不可と説明したと伝えております。
どうしても鍼灸整骨院などで治療を受けたい場合は、当院での診察、検査、治療を自賠責保険で受けることはできなくなりますが、 その場合は各人の健康保険や自費診療として対応いたします。
交通事故・労災に関するよくあるご質問
基本的に自賠責保険で治療費が補償されるため、患者さん自身が治療費を負担することはほとんどありません。ただし、過失割合が高い場合や、保険会社との連絡が取れていない場合には、一部の治療費を自己負担するケースもあります。
治療期間は、怪我の内容や衝撃の強さ、症状によって異なります。例えば、むち打ち症は通常2週間ほどで回復し、難治性の場合でも治療期間は3か月から6か月程度が一般的です。特に早期のリハビリがその後の回復に大きく影響します。また、症状が一定の改善を見せた段階で「症状固定」と判断され、これ以上の回復が見込めない場合は、後遺障害診断書の発行が可能です。
患者さんの意思で医療機関を変更することは可能です。移転を希望する場合は、保険会社へその旨を伝えてください。現在通院中の医療機関から紹介状をお持ちいただけるとスムーズですが、紹介状がない場合でも対応いたします。
整骨院(接骨院)との併用はお控えいただいております。原則として、当院で診断・治療を受けている方のみを対象とさせていただいております。