【高齢者の転倒予防】自宅でできる簡単リハビリ運動4選と生活の工夫

はじめに ~転倒は“きっかけ”になる大きな問題~
「最近、つまずきやすくなった」「親が転ばないか心配」──そう思うことはありませんか?
高齢者の転倒は、骨折や寝たきりの原因になることがあり、決して軽く見てはいけません。
転倒は「防ぐことができる」ものです。
この記事では、転倒しやすくなる原因と、ご自宅で簡単にできる予防トレーニングをご紹介します。
なぜ転倒しやすくなるのか?
年齢を重ねると、私たちの体にはさまざまな変化が起きます。
- 全身の筋力低下
- 視覚情報などから得られるバランス感覚の衰え
- 内服薬や持病の影響
これらの影響で転倒しやすくなるのですが、その中でも特に注意したいのが「自宅内での転倒」です。カーペットのめくれや浴室の床、暗い廊下など、思わぬ箇所が転倒の原因になります。
転倒の“その後”にあるリスク
転倒は、たった一度でも大きな影響を及ぼすことがあります。
- 骨折による入院・手術
- 寝たきりや要介護の状態へ
- 外出が怖くなり、活動量が低下する
- うつや不安感につながること
特に高齢者の場合は「骨折→入院→体力低下→寝たきり」という流れになりやすく、早めの対策がとても重要です。
今日からできる!転倒予防の簡単トレーニング4選
自宅でできる、簡単な筋力・バランストレーニングをご紹介します。
動きはシンプルでも、毎日コツコツ続けることで転倒リスクをぐっと減らすことができます。
1. 足上げ運動(SLR:Straight Leg Raise)

- 仰向けになり、片膝を曲げて立てます(もう片方は伸ばしたまま)。
- 伸ばした脚を、つま先を上に向けたままゆっくり30cmほど持ち上げます。
- 5秒キープして、ゆっくり下ろします。
- 片足10回ずつを目安に行いましょう。
転倒予防ポイント:大腿四頭筋を鍛え、安定して体を支えられるように。
注意点
- 腰が反らないよう、お腹に力を入れて行います。
- 息を止めず、自然に呼吸を続けましょう。
2. 仰向けお尻上げ運動(ヒップリフト)

- 仰向けになり両膝を立てます。
- お尻を持ち上げるよう太ももとお尻に力を入れます。
- 5秒キープし、ゆっくり元の姿勢に戻します。
- 10回を目安に行います。
転倒予防ポイント:大殿筋を鍛え、姿勢保持や歩行時の安定感を高めます。
注意点
- 腰だけで反らないように、お尻の筋肉を意識しましょう。
- 痛みがある場合は中止してください。
3. 片足立ちトレーニング

- 机や壁に手を軽く添えて立ちます。
- 片足を5〜10cm浮かせ、そのまま10〜20秒キープします。このとき左右の骨盤の高さは揃えましょう。
- 左右交互に2〜3セット行いましょう。
転倒予防ポイント:中殿筋の筋力や足のバランス機能を向上させふらつきの軽減を図ります。
注意点
必ず安定した場所で行いましょう。
4. かかと上げ運動(カーフレイズ)

- 机や壁に手を添えてまっすぐ立ちます。
- できるだけ真っ直ぐかかとを持ち上げて、つま先立ちになります。
- その姿勢で2〜3秒キープしたら、ゆっくり下ろします。
- 10〜15回を1セット、2〜3セット行いましょう。
ポイント:下腿三頭筋を鍛え、安定感を向上させます。
注意点
- バランスを崩さないよう、必ず手を添えて行ってください。
- ゆっくり動かすことがポイントです。
★続けることが何より大切!
これらの運動は、無理なく継続することがポイントです。
「テレビのCMの間に少しだけ」など、生活の中に組み込むことがおすすめです。
日常生活でできる転倒予防の工夫
運動とあわせて、日々の暮らしの中でも転倒予防はできます。

1.自宅環境の見直し
- 小さな段差やマットの端をなくす
- 暗い場所には足元灯をつける
- よく使う場所に手すりを設置する
2.靴やスリッパの選び方
- かかとがしっかりしていて滑りにくいもの
- サイズが合っているものを選びましょう
3.外出時の注意点
- 雨の日は滑りやすい靴を避ける
- 杖や歩行器を使う方は、定期的に点検を
まとめ 〜転倒は“予防”が重要です〜
転倒は、誰にでも起こりうる身近なリスクですが、正しい運動と環境づくりで予防することができます。
当院では、理学療法士による個別リハビリや、運動指導も行っております。
「最近ふらつきが気になる」「家族のことで相談したい」など、お気軽にご相談ください。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「膝の痛みが続いている」「反り腰が気になる」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。