四十肩・五十肩の原因は”肩”だけじゃない!?予防のための菱形筋の運動

はじめに
「最近、肩が上がりにくくなってきた」「腕が痛くて後ろに回らない」そんな症状が出てくるのが肩関節周囲炎、いわゆる四十肩・五十肩です。名前のとおり、40~50歳台の方に多く発症します。
実はその原因、肩そのものだけではなく”背中の筋肉”にもあることをご存じですか?
特に肩甲骨まわりにある”菱形筋(りょうけいきん)”という筋肉の動きが悪くなると、肩の動きが制限され、痛みや違和感の原因になります。
今回は、肩関節周囲炎予防に役立つ「菱形筋の運動方法」をご紹介します。
菱形筋ってどんな筋肉?
肩甲骨の動きを支える「菱形筋」
あまり聞きなじみのない名前かもしれませんが、実は肩の動きや姿勢にとても大切な役割を果たしています。
菱形筋は背中の上の方にある筋肉で、肩甲骨の内側から背骨を繋いでいます。

肩甲骨を背中の中央に引き寄せる働きがあり、菱形筋自身が硬くなり動きが悪くなると肩の動きが制限されるようになります。
つまり菱形筋が柔らかく、動きが良い状態を維持することが肩関節周囲炎の予防につながります。
肩の動きと筋肉の関係を知ろう
腕が挙がる仕組みには”肩甲骨”が関係している
腕を挙げるためには、もちろん肩の関節(肩甲上腕関節)の動きが滑らかであることが必須ですが、人体の構造上、肩甲骨の動き(肩甲胸郭関節)が良くないと腕は最大まで挙がらないようになっています。
そのため、肩甲胸郭関節の動きが悪いと、肩甲上腕関節に負担がかかり肩関節周囲炎になりやすくなります。
肩関節周囲炎予防に!自宅でできる簡単ストレッチ・運動
四つ這い運動(キャット キャメル)
スタートポジション

- 四つ這いになります。この時両手は肩の真下、両膝は90°になるように腰の真下になるようにしましょう。
- 背筋は軽くまっすぐにし、顔は下を向きます。
運動方法
以下の2つの動きをゆっくり繰り返します
①キャット(猫のポーズ)

- 息を吸いながら背中を反らせます。
- 肘は曲げず、胸を地面に押しだすように意識しながら両方の肩甲骨を中央に寄せていきます。

②キャメル(ラクダのポーズ)

- 息を吐きながら背中を丸めていきます。
- おへそを見るように意識しながら背中の頂点を天井に近づけるようにします。
- 両方の肩甲骨どうしを引き離していくように動かします。

ゆっくり呼吸に合わせて10~20回を目安に行いましょう。
胸の前を広げる運動
スタートポジション

- 椅子に腰かけてまっすぐ前を見ます。
- 両手を後頭部で組み、後頭部を両手に押し当てるように顎を引きます。
運動方法

- 肩甲骨を背骨に近づけていくようなイメージで両肘を後ろに引きます。
- 後ろに引いた位置で3秒キープします。
- ゆっくり元の位置に肘を戻します。
注意点
肩甲骨を背骨に近づけるようにした際に力を入れすぎると痛みや違和感が出ることがあるため、力を入れすぎないようにしましょう。
まとめ
肩関節周囲炎の予防には肩関節だけではなく、菱形筋にも目を向け、肩甲骨を動かしていくことが大切です。
今回ご紹介した運動を毎日の習慣に取り入れ、無理のない範囲で継続していきましょう。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「膝の痛みが続いている」「反り腰が気になる」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。