重いものを持つと肘が痛い?上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の正体と今日からできる対策

はじめに
最近、物を持ち上げたときやドアノを回すときに肘の外側が痛む・・・そんな症状に心当たりはありませんか?
もしかするとそれは「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」かもしれません。
名前からスポーツ選手に多いとイメージされるかもしれませんが、実は日常的な動作や家事、パソコン作業などでも起こりうる疾患です。
この記事では、テニス肘の原因をわかりやすく解説し、ご自宅でできるストレッチやセルフケアの方法をご紹介します。
痛みを悪化させないために、正しい知識とケアの方法を身につけましょう。
テニス肘とは?
「テニス肘」は正確には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれ、肘の外側に痛みが出る障害です。
肘の解剖
私たちの肘の周りには、手首や指を動かす筋肉が多く付いています。
これらの筋肉は、上腕骨の内側と外側から手首や指先まで付着しています。
- 肘の内側には「屈筋群(くっきんぐん)」と呼ばれる筋肉が集まっており、手首や指を曲げる動作を担っています。
- 肘の外側には「伸筋群(しんきんぐん)」と呼ばれる筋肉が集まっており、手首や指を伸ばす動作を担っています。
特にテニス肘に関連するのは、この外側の伸筋群です。物をつかんだり、持ち上げたりするときに手首は少し反った(伸びた)状態になります。このとき、伸筋群には「遠心性(えんしんせい)収縮」という筋肉の収縮が起こります。
遠心性収縮とは?
遠心性収縮とは、「筋肉が引き伸ばされながら力を発揮している状態」です。
例えば、重たい買い物袋などを手に持ってぶら下げているとき、下に落ちないよう伸筋群が頑張って支えています。このとき、伸筋群は引き伸ばされながらブレーキをかけるように働いているのです。
この引き伸ばされながら働く力の入り方は、筋肉や腱にとって負担が大きく、繰り返されることで骨との繋ぎ目部分に炎症が起き、痛みに繋がります。これがテニス肘の正体です。
どんな症状が出るの?
テニス肘では、肘の外側(出っ張りのやや下)に痛みが現れるのが特徴です。
よくある症状
- 肘の外側が痛む
- 物を持ち上げるときに痛い
- タオルを絞る動作やペットボトルの蓋を開ける動作が痛い
- 起床時に痛い
テニス肘を悪化させないためのポイント
テニス肘は無理をして肘を使い続けることで悪化し、回復が長引くことがあります。
腕の使い方ひとつで肘にかかる負担を減らすことができるためを知っておくことが重要です。
痛みが出やすい動作
- 重い物を片手で持つ
- 手のひらを下にして物を持ち上げる
- ぞうきんなどを絞る
- 長時間パソコンでタイピングする
手のひらを下に向けたまま物を持ち上げると伸筋群に強い負荷がかかるため、物を持つときは手のひらを上にするようにしましょう。


自宅でできるストレッチとセルフケア
伸筋群のストレッチ
- 椅子に座り、指先は自分の方を向けたまま座面に手の甲を着ける
- 肘を伸ばす
- 体重を少し後ろにかけたまま肘の曲がる部分を前に向ける
- 30秒程度伸ばして元に戻す


セルフケア
肘の外側、出っ張りがある部分の周囲をマッサージする

まとめ
テニス肘は日常の何気ない動作でも発症しやすい疾患ですが、早めの対応と正しいセルフケアで改善できます。
症状が長引く場合は無理せず、受診することをおすすめします。
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