筋肉痛と筋疲労はなぜ起こる?リカバリー方法について
運動後に起こる「筋肉痛」や「重だるさ」。
これは単なる疲れではなく、筋肉の中で起きている”微細な損傷”と回復の反応によるものです。
今回は、筋肉痛の正体と、回復を早める正しいリカバリー方法について、わかりやすく解説します。
筋肉痛の正体は「筋肉の小さな傷」
筋肉痛の正式名称は”運動誘発性筋損傷(EIMD:Exercise-Induced Muscle Damege)”といいます。
特に、
- 下り坂のランニング
- スクワット
- 階段の下り
などの遠心性収縮(伸ばされながら力を出す運動)で起こりやすいことがわかっています。
この時、筋肉の中では
・筋線維が微細に傷つく
・筋肉を包む膜や結合組織もダメージを受ける
・炎症反応が起こる
という変化が起き、数時間~1週間ほど痛みが出てきます(遅発性筋肉痛)。

筋肉痛のとき、体の中では何が起きているのか
筋肉が傷つくと、
1.傷ついた細胞から「損傷のサイン」が出る。
2.サインを受けて免疫細胞が集まって炎症が起き、新しい細胞の分化が始まる。
3.古くなった組織が掃除される。
4.細胞の分化・融合が進み、新しい筋組織が合成される。
という流れで修復と成長が進みます。
つまり、筋肉痛=悪いものではなく、筋組織を増やしていく大切な過程でもあるのです。
筋肉痛は「慣れ」で予防できる
同じ運動を繰り返すと、だんだん筋肉痛が起きなくなることはなんとなく体験したことがあると思います。不慣れな遠心性収縮運動を繰り返すことで筋肉痛は生じるため、予防するためには、
・数日~数週間前からあらかじめ弱い強度で遠心性収縮運動を行っておく
・いきなり強い負荷をかけない
・徐々に負荷量を上げていく
ことが重要です。
筋肉痛と疲労を早く回復させるリカバリー戦略
ここからは、実際に回復を早める方法です。
①アイシング(冷却)
氷や保冷剤を使って患部を冷やす方法です。短時間の鎮痛作用があります。
1回につき、20分が推奨されていますが、直接肌に当てると凍傷の恐れがあるため、タオルなどで包んで温度を調節しましょう。
※よく質問されるのですが、湿布には冷却効果はありません。

②ホットパック(温熱)
血流を上げることで、筋肉の柔軟性を高めます。
運動から3日目から行うことがよいとされています。
③弾性ストッキングなどを着用する(圧迫)
下肢の筋肉痛であれば就寝時に弾性ストッキングを着用することで患部を圧迫することも効果的です。

④アクティブリカバリー
ウォーキングなど軽い運動をする方が回復が早いといわれています。
まとめ
筋肉痛や筋疲労は正しくケアをすることで回復が早まるほか、強度の高い運動をする前はあらかじめ弱い負荷で運動しておくことが重要です。
普段から運動する習慣をつけておきましょう!
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「膝の痛みが続いている」「反り腰が気になる」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。