肩石灰沈着性腱炎

肩石灰沈着性腱炎とは

肩の腱にカルシウム（リン酸カルシウム）が沈着し、炎症や激しい痛みを引き起こす疾患です。中年以降の女性に多くみられます。

発症後1～4週、強い症状を呈する急性型、中等度の症状が1～6ヵ月続く亜急性型、運動時痛などが6ヵ月以上続く慢性型があります。

肩に石灰が溜まってしまう原因はわかっていません。

40～50歳代の女性に多く、加齢や血流の低下、ホルモンバランスの影響が考えられます。

石灰は、初め濃厚なミルク状で、時がたつにつれ、練り歯磨き状、石膏（せっこう）状へと硬く変化していきます。石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。そして、腱板から滑液包内にやぶれ出る時に激痛を伴います。

圧痛の部位や動きの状態などをみて診断します。
X線（レントゲン）撮影によって腱板部分に石灰沈着の所見を確認する事によって診断します。
場合によっては、石灰沈着の位置や大きさを調べるためにCT検査や超音波検査なども行なわれます。
腱板断裂の合併の診断にMRIも用いることもあります。

ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、亜急性型、慢性型では、石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが再発することもあります。

硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し、炎症が消失せず痛みが続くことがあり、痛みが強く、肩の運動に支障があると手術で摘出することもあります。

疼痛がとれたら、温熱療法（ホットパック、入浴など）や運動療法（拘縮予防や筋肉の強化）などのリハビリを行います。

やまべ整形外科では、肩の痛みに対し、診察・リハ・注射など、患者様にお一人おひとりに合わせた治療をご提案いたします。症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

やまべ院長

当院では、エコーを用いて正確に安全な注射治療を行っております。まずは診察にてご相談ください。

放っておいても治りますか？

自然に吸収されることもありますが、痛みの強い場合は早期の治療が必要です。

石灰は何回も繰り返しますか？

再発することもありますが、初発のみで治まることもあります

五十肩との違いは？

五十肩…肩関節を覆っている関節包に炎症が起こっている状態。（関節包は筋肉ではない）
石灰沈着性腱板炎…腱板に炎症が起こっているため、筋肉に炎症が起こっている状態。

五十肩も肩石灰沈着も肩の痛みを引き起こす疾患ですが、原因や症状が異なります。五十肩はこちらを参考にしてください。→五十肩の疾患ページへ