頚椎症性神経根症
原因・病態
頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)は、20~40代の方によく見られる疾患です。
首の骨に負荷がかかり続けることで椎間板が突出したり、骨棘(こつきょく)を形成することで、頚椎にある細いトンネル「椎間孔」が狭くなり、脊髄からわかれて上肢へゆく、「神経根」が圧迫されたり刺激されることで、肩や腕の痛みや痺れといった症状をきたします。
近年は、スマートフォンやパソコンの普及、運動不足などによって、不良姿勢の認められる方が増えています。
症状
肩から腕にかけての痛み、腕や手指の痺れを主な症状とし、頚椎を後方に反らしたときに、症状が強くなる特徴があります。
痛みの程度は軽いものから、我慢できないほどつらいものまであり、他にも脱力症状(力が入りにくい)や心臓のあたりの痛み(偽性狭心症)など様々な症状があります
検査・診断
最も簡便で手軽にできる検査はレントゲンです。方向を変えたり、頚椎を前後屈して撮影したりすることで、頸椎の全体的な形、変性の程度やズレ(すべり症)の有無などが分かります。
しかし、どの部位にどの程度の神経の圧迫が生じているかを正確に把握するにはレントゲンだけでは難しく、症状が重く難治性の場合ではMRIの撮影を行うこともあります。
予防・治療
症状そのものは適切に治療を受けることで、時間とともに軽減することが多く、鎮痛剤や頸椎カラーなどの装具でしばらく経過を観察します。
痛みが強くて日常生活が困難な場合や、ある程度時間が経過しても改善がみられない場合は、手術療法を検討します。
↓症状を悪化させる動作としては、以下のようなものが挙げられます。
- 重いものを持つ
- デスクワークや庭仕事などで同じ姿勢を30分以上継続する
- 首を過度に倒す、回す
- うつぶせ寝
基本は仰向けとし、枕の高さを調節しましょう。タオルを重ねるなどして調整し、ご自身に合った高さを調べておくのがよいでしょう。
ポイントとなるのは、首を曲げて下を向く・上を向く姿勢を長時間続けないことです。
やむを得ずこのような姿勢をとる場合も、20~30分ごとに休憩を挟むようにしてください。
症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。