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頚椎症性脊髄症

病態・原因

頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)とは、頚椎(首の骨)が変形し、骨がとげ状に大きくなる骨棘(こつきょく)ができたり、骨の間のクッション(椎間板)が突出することで、脊髄が走行する脊柱管(せきちゅうかん)と呼ばれる管が狭くなり、脊髄が圧迫されて、さまざまな神経症状を引き起こす病気のことです。
主な原因は加齢による、頚椎の変化と考えられていますが、日本人は欧米人に比べてもともと脊柱管が狭いため、頚椎症性脊髄症を発症しやすいとされています。

症状

脊髄が圧迫されてダメージを受けるため、首や背中、手の痛みやしびれのほか、手がうまく使えない、うまく歩くことができないなどの機能障害が生じるようになります。
また、頻尿や失禁など膀胱や直腸の機能が低下することもあり、日常生活に大きな支障を及ぼすケースも少なくありません。

  • 「感覚神経」に関する症状として:手足のしびれ・痛みなど
  • 「運動神経」の症状として:手を細かく動かせなくなる、つまずきやすくなる
  • 「自律神経」の症状として:膀胱直腸障害(尿や便が出にくくなる)

検査

頸椎レントゲンとMRI検査が代表的な検査です。

レントゲン

頚椎症性脊髄症では変形や骨棘の所見がみられますが、これは加齢に伴って誰にでも出現してくるものであり、特別に病的とは言えません。また、レントゲンのときは「動体撮影」という頸をそらしながらの撮影をすることがあります。これにより、椎間板や椎体にすべりとずれがないかを確認していきます。

MRI

脊髄を圧迫していることが分かります。MRIでは症状とあわせて評価することが大切です。

予防と治療

まずは保存療法が適応となります。

装具療法

装具療法とは主に頚椎の不安定性を、伴う軽症の患者さんに適応される治療で、簡易型の頚椎カラーなどを装着して首をある程度固定することによって、痛みやしびれなどの症状を和らげることを目的としています。

薬物療法

痛みやしびれが強く現れている患者さんには薬物療法を行います。神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつ)といって、神経由来の痛みやしびれに対する治療薬などを内服してもらい、不快な症状の軽減を目指します。
このほか、牽引療法などの機械を使ったリハビリ(物理療法)もあります。

歩きづらくなってきたなどの症状がみられ、明らかに日常生活動作(ADL)が制限されている患者さんには手術を検討します。適切な手術のタイミングを考えるためにも、やはり早期段階で受診することが望ましいと考えます。

症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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