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変形性股関節症 osteoarthritis of the hip


変形性股関節症を防ぐために


股関節について

股関節は、骨盤側で受け皿になる深いお椀の形をした臼蓋(きゅうがい)と、大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨骨頭との組み合わせでできた関節です。

股関節の役割

股関節は、骨盤の左右に位置して胴体と両脚を繋いでおり、体重を支える重要な役割を担ってる関節です。靭帯や筋肉などの軟部組織と共に協調しあって働くという特性を持っています。

股関節の働き

脚を前後・左右に広げたり、外や内側に回すなど、さまざまな動きが可能です。

変形性股関節症とは?

関節軟骨が変化し、摩耗により関節破壊をきたす疾患(病気)ですが、原因が明らかでない一次性股関節症(15%)と、何らかの原因により続発する二次性股関節症(80%)に分類されます。

疫学

発症年齢は40~50歳代、女性に多く、男性の7倍
国内の人口で換算すると、およそ120万~420万人
先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全が原因で変形性股関節症となるケースが80%

原因

生まれつき(約80%)

生まれた時に股関節が脱臼(先天性股関節脱臼)しており、正しい治療をされなかった場合や、生まれつき股関節のつくりが浅い(臼蓋形成不全)場合

成長してから

転倒や交通事故などで、股関節周囲を骨折した場合

原因不明

明らかな原因がなく、なりやすい体質である場合
この場合は、膝や手指の関節の変形を合併することが多い

症状

痛み(部位:足の付け根・太もも・お尻)

最初は股関節の違和感から始まり、その後、台所での立ち仕事や階段の昇降時に股関節の痛みが生じてきます。

動きにくさ

股関節が外に開きにくくなり、足の爪を切る、靴を履く、あぐらをかくなどの動作が行いにくくなります。

歩行障害

歩くときにびっこを引いてしまいます。

変形性股関節症の分類

変形性股関節症の進行

前期:軟骨は壊れていないが骨盤の屋根が足りていない
初期:軟骨がすり減りはじめ関節の隙間が狭くなっている
進行期:関節の隙間がなくなり骨がぶつかって破壊されている
末期:軟骨が全くなくなり骨と骨がくっついている

期間における主な治療法

前期~初期

減量、ストレッチ
補高靴、杖、装具療法
電気治療、温熱療法
薬物療法

初期~進行期

保存療法で経過をみながら手術を検討
寛骨臼回転骨切り術(RAO)

進行期~末期

人工股関節置換術

変形性股関節症の治療

生活指導

減量、食事

運動療法

可動域訓練
筋力訓練
バランス訓練

薬物療法

痛み止めなどの薬

手術療法

記、改善が見込めない場合、手術療法を選択
骨切り術
人工股関節置換術

股関節に痛みがある方へ

変形性股関節症を治療すると、痛みが軽減され、日常生活の質の向上が期待できます。これまで「歳のせいだから」と諦めていた趣味や旅行などが、再び楽しめるようになるかもしれません。まずは整形外科を受診していただき、正確な診断の元、投薬やリハビリ、自主練習などを行いましょう。詳しくは医師にご相談ください。

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