足の捻挫、甘く見ていませんか?捻挫ぐせになる理由と改善法
痛みが引いても「完治」ではない?
日常生活で段差などに足をとられ、バランスを崩し足を捻った、なんてことはよくあると思います。
そんな時決まって言うのが、「たかが捻挫、湿布を貼って痛みが引けば大丈夫」「少し足を捻っただけ」といった捻挫を軽視しがちな言葉ですが、実は足首の捻挫はとても怖いケガであることをご存じでしょうか。
実に、足首の捻挫をした人の約40~70%が「慢性足関節不安定症(CAI)」という障害に移行するという衝撃的なデータがあります。CAIになると身体に様々な支障をきたします。
今回は足首の捻挫とCAI、将来的に及ぶ身体への悪影響についてご紹介します。
そもそも捻挫とは??
「足首を捻る」という現象の裏では、足首の複雑な構造がダメージを受けています。
足首の解剖
足首は足関節と呼ばれ、足関節は2つの関節で構成されます。

距腿(きょたい)関節
スネの骨である脛骨(けいこつ)と外くるぶしの骨である腓骨(ひこつ)が天井になり、その下にある距骨(きょこつ)で構成される関節
距骨下(きょこつか)関節
距骨と踵の骨である踵骨(しょうこつ)で構成される関節
これらが複雑に動くことで足首の動きをコントロールしています。その際、動きを制動する役割を担っているのが、靭帯(じんたい)です。捻挫とは、この靭帯が損傷された状態を示します。
足関節捻挫に関わる靭帯
捻挫の約80%は足の裏が内側を向く「内返し捻挫」であるといわれています。
このとき、足裏が内側を向く、つまり外側にある靭帯が伸ばされることで捻挫を引き起こします。

前距腓(ぜんきょひ)靭帯
足首の前・外側にある最も損傷されやすい靭帯
踵腓(しょうひ)靭帯
腓骨と踵骨を結ぶ靭帯で、損傷されるとグラつきが酷くなる
後距腓(こうきょひ)靭帯
後ろ側を支える靭帯で損傷されることが少ない
これらが外側にある主な靭帯で、特に前距腓靭帯が損傷されやすいといわれています。
なぜ捻挫はクセ(CAI)になりやすいのか?
捻挫の本当の怖さは、靭帯が切れることだけではありません。
靭帯の中には、足の傾きを瞬時に脳へ伝えるメカノレセプター(感覚受容器)という高精度なセンサーが詰まっています。 最新の研究では、捻挫を適切に治療・リハビリしないと、このセンサーの形が崩れ、数自体が減ってしまうことが判明しました。
センサーが壊れ、数が減少すると、脳は「今、足がどれくらい傾いているか」を正しく察知できなくなります。すると、例えば不意な段差で足首がグキッとなりそうな時、脳からの「踏ん張れ!」という指令が遅れてしまい、再度捻挫に繋がります。これが、注意力だけの問題ではない、捻挫グセ(CAI)の正体です。
「痛くない」のに受診が必要な理由
スポーツ現場の調査では、捻挫をした人の約41%が病院を受診せず、リハビリに至っては30%の人しか受けていないという実態があります。
スポーツのような激しい運動の現場でこの数字ですので、日常生活での捻挫はより受診に至らない方が多いと推察されます。
しかし、前述のとおり、捻挫を放置することは重大なリスクとなります。
捻挫グセ(CAI)に進行すると、体は無意識に他の関節でカバーしようとします。
すると、膝や股関節の機能が低下し、変形性膝関節症や変形性股関節症などに繋がる可能性が高まるのです。
セルフケアと捻挫を防ぐためには?
捻挫をし、痛みが引いたあとや、過去に捻挫をし、CAIに進行することを防ぐためには適切なケアが必要です。
足関節のストレッチ
過去のコラムでも紹介していますが、今一度紹介します。
1.壁に向かって立ち、つま先を壁に立てかけます。このときできるだけ高い位置までつま先を上げましょう。
2.その状態で踵をついたまま、前に体重をかけ30秒ほどふくらはぎを伸ばします。

片脚立位の練習
1.片足で立ちます
2.その状態で20~60秒ほどキープします。この時、バランスを崩しそうになっても、股関節や膝関節でバランスをとるのではなく、足関節をコントロールすることでバランスを保ちましょう。



まとめ
足首の捻挫の怖さをご紹介しました。「痛みが引いたから治った」ではなく、適切な処置をして、足関節不安定症(CAI)に進行させないことが重要です。
CAIになると股関節や膝関節など他の関節にも影響を及ぼします。
何年後かに人工関節などの手術にならないよう、今から足関節のケアをしていきましょう。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「腰の痛みが続いている」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。