膝蓋大腿痛症候群
膝蓋大腿痛症候群とは
膝蓋大腿痛症候群(しつがいだいたいつうしょうこうぐん(PFPS))とは、膝のお皿(膝蓋骨)と太ももの骨(大腿骨)の間に負担がかかり、痛みが出る状態で、痛みがあるけれど、特に骨・軟骨・筋肉・腱などには損傷がない、といった場合に診断されることが多い疾患です。
本来、膝のお皿は曲げ伸ばしに合わせて、太ももの骨の溝の上をなめらかに動きます。

しかし、この動きがうまくいかなくなると、膝のお皿の裏側に負担がかかり、痛みが生じます。
なぜ動きが悪くなるの?
主な原因は次のとおりです。
太ももの筋力低下やバランスの乱れ
膝を支える力が弱くなり、お皿がずれやすくなります。
歩き方や姿勢のくせ
O脚や猫背などが、膝への負担を増やします。
膝の使い過ぎ
階段の昇り降りや長時間の立ち仕事、歩き過ぎなどが影響します。
年齢による変化や変形性膝関節症
関節の動きが悪くなり、膝のお皿の動きにも影響が出ることがあります。
膝蓋大腿痛症候群の診断
診察で膝の痛みの特徴や部位、膝蓋骨の動きを確認します。レントゲン撮影を行い、膝蓋骨の位置や膝蓋大腿関節の形状(溝の形)、変形の程度を確認します。
関節の隙間の大きさで残っている軟骨の量を判断し、骨棘(こつきょく)という余分な骨がどれくらい形成されているかで変形の程度を判断します。必要時はMRI検査し、軟骨の損傷の部位や程度を確認することもあります。
膝蓋大腿痛症候群の治療
多くの場合、手術をしない治療(保存療法)を行います。
お薬やリハビリで、膝への負担を減らし、筋力の回復を促します。変形性膝関節症も併発している場合には、ヒアルロン酸の関節内注射を定期的に行うこともあります。

膝蓋大腿痛症候群の日常生活の注意点
- 膝への負担を減らすことが大切です
- 立ち座りはゆっくり行いましょう
勢いよく立ち上がらず、手すりや机を使うと安心です。 - 階段は無理をしない
手すりを使い、一段ずつゆっくり上り下りしましょう。 - 長時間の立ちっぱなしや歩き過ぎに注意
こまめに休憩を取り、膝を休ませましょう。 - 姿勢を意識する
猫背やがに股を避けることで、膝への負担が軽くなります。 - 痛みがあるときは無理をしない
我慢せず、早めに休むことが大切です。

膝のお皿の動きをやわらかく保つことは、とても大切です。
当院コラムでは、ご自宅でできる膝蓋骨のセルフストレッチをご紹介しています。
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やまべ院長から一言

階段の上り下りや立ち上がるときに、膝のお皿のまわりが痛むことはありませんか?膝の痛みは、原因を知り、正しく対応することが大切です。日常生活に支障が出る前に、ぜひ一度ご相談ください。
最後に
膝蓋大腿痛症候群は、日常の動作がきっかけで起こることの多い症状です。
早めに対処することで、痛みを和らげ、安心して生活を続けることができます。
膝蓋大腿痛症候群に関するよくあるご質問
階段の昇り降りが多い方、長時間立つことが多い方、また膝に不安を感じながら生活している方に多くみられます。高齢の方では、変形性膝関節症が関係することもあります。
膝のお皿の動きが悪くなることで、歩く動作でも膝のお皿の裏に負担がかかるためです。
一時的に楽になることはありますが、膝の動きや筋力を整えることが大切です。
必要以上に動かさないことは、かえって回復を遅らせることもあります。
はい、可能です。当院では、膝に負担をかけない運動器リハビリを行い、膝のお皿の動きを良くし、再発を防ぐための指導を行っています。
ほとんどの場合、手術をせずに改善が期待できます。
症状が強い場合や他の病気が疑われる場合には、必要に応じて専門の医療機関をご紹介します。