「ストレッチは何秒が正解?」最新のエビデンスに基づく最適な時間と頻度
「ストレッチは毎日お風呂上がりに、10秒ほど伸ばしましょう。」「毎日少しずつストレッチを続けましょう。毎日しないと意味がないですよ。」など、テレビや周りの人から言われたことはありませんか?
実はこれらは最新の研究から間違いであることがわかってきました。
今回は、近年のリハビリテーション医学やスポーツ科学から明らかになってきた、最新のエビデンスをベースに、解剖学的・科学的に体の柔軟性を向上させるストレッチの方法についてご紹介します。
なぜ体は硬くなるの?「硬さ」の正体と最新科学について
そもそも「体が硬い」とはどういう状態なのでしょうか。医療の世界では、柔軟性向上には大きく分けて2種類のアプローチがあるといわれています。
関節可動域の拡大
いわゆる「関節がどこまで動くか、広がるか」という範囲のことです。
筋スティフネス・緊張の低下
筋スティフネスとは「筋肉自身の硬さ」のことです。
体を柔らかくするという言葉の中には2つの意味が存在することを知っておきましょう。
さて、最新の研究では面白いことがわかってきています。
ストレッチをして関節がよく動くようになる最初の理由は、筋肉が物理的に伸びたわけではなく、脳が「ここまで伸ばしても痛くないよ」と許してくれる基準が上がったからなのです。
しかし、完全にストレッチをサボってしまうと、せっかく広がった可動域やスティフネスも約5週間で元に戻ることが確認されています。そのため、少しずつコツコツと続けていくことが重要です。
1回につきどれくらいすればいいの?
今回のテーマであるストレッチの最適な時間やセット数についてですが、
- 1回につき30秒伸ばし続ける
- 最大の効果を発揮するためには4分間必要
- 1日にまとめてストレッチするよりも小分けにすることが重要
- 可能であれば「痛い」と感じる強度で行う
以上の4つのルールを守ることで効率よく、最大の効果を得られることがわかっています。
1回につき30秒伸ばし続ける
最新の研究報告では、30秒以上伸ばしてもそれ以上の伸び率は一定になることが報告されています。
そのため、1部位を長く伸ばし続けるよりは30秒で区切る方が時間的効率の面で最適です。
最大の効果を発揮するためには4分間必要
1回のストレッチにおけるセット数として、合計4分することが推奨されています。
これは30秒伸ばし続けることを想定すると、1回につき8セット(240秒=4分間)することが重要です。
1日にまとめてストレッチするよりも小分けにすることが重要
ストレッチを行う頻度として、毎日しなくても週に3~5回行うことで柔軟性を改善・維持できることがわかっています。
その場合、1週間合計10分を目指し、コツコツ行いましょう。
可能であれば「痛い」と感じる強度で行う
「痛みを伴うが耐えられる程度」であれば短時間でも効率よく柔軟性を改善することができます。
理学療法士が教えるおすすめのストレッチ
普段患者さんにリハビリをする中で、「これくらいのストレッチはできていてほしいな」「この筋肉はある程度柔らかくなっていてほしいな」と感じる部分の簡単なストレッチをご紹介します。
太もも裏のストレッチ(ハムストリングス)
仰向けに寝て膝を後ろから抱えます

抱えた状態で膝を伸ばします

この時足全体が伸びないように注意します

ふくらはぎのストレッチ(下腿三頭筋・ヒラメ筋)
壁に向かって脚を出します
できるだけ高い位置に足をかけます

その状態で体重を前にかけ、ふきらはぎを伸ばします

太もも前のストレッチ(大腿四頭筋)
椅子に半分だけお尻が出るように腰掛けます
出した方の足を後ろに下げます

太もも前の突っ張り感を感じながら体を後ろに倒します

太もも外側のストレッチ(大腿筋膜張筋)
壁に向かって立ちます
伸ばしたい方の脚を後ろに下げ、クロスさせます

体を反対側に倒し、股関節の外側を伸ばします

まとめ
関節の硬さや筋肉の柔軟性の低下は少しずつ進行します。そして、体が硬くなることで歩きにくさや疼痛に繋がり、生活に支障が出るようになります。
大切なことは、支障が出る前に日々少しずつメンテナンスをするという意識です。
今回ご紹介したストレッチの4つのルールは、いつでも始められるセルフケアです。
無理せず少しずつ続け、軽やかに動ける体を目指しましょう。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「腰の痛みが続いている」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。