膝のお皿の下にある「膝蓋下脂肪体」とは?セルフケアのポイント
膝蓋下脂肪体は「膝のクッション」?
膝関節の中には、骨や靭帯、半月板だけでなく、様々な組織が存在しています。その中のひとつが膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)です。
膝蓋下脂肪体は、膝のお皿(膝蓋骨)のすぐ真下にある柔らかい組織で、膝関節の前方に位置し、膝蓋腱(しつがいけん)の両脇にあります。
主に、膝の曲げ伸ばしに合わせて形を変えながら、関節の動きを妨げないよう正常化させる”クッション”のような役割を担っています。
普段はあまり意識されることのない組織ですが、膝をスムーズに動かすためにはとても大切な存在です。
膝蓋下脂肪体の特徴って?
解剖学的には「膝蓋骨と膝蓋腱の深層にある脂肪組織を多く含む疎性結合組織」です。
なかなか難しい表現ですが、骨でも筋肉でも皮膚でもない、特有の組織であることを表しています。
人間の体の中には、このような脂肪体がいくつも存在します。例えば、足首の前にある距骨前脂肪体(きょこつぜんしぼうたい)や、大腿骨の前にある大腿前脂肪体(だいたいぜんしぼうたい)などがあります。
これらの脂肪体について、よく患者様から「太ってるからあるの?」とか、「痩せてるから硬くなるの?」などと言われることがありますが、実は体型は関係ありません。
脂肪組織を多く含む、つまり柔軟性に富んだ柔らかい組織を脂肪体と呼んでいるのです。

膝関節との動きの関わり
膝蓋下脂肪体は膝を曲げ伸ばしする上でとても重要な役割を担っています。
膝を曲げる際には、大腿骨と脛骨(すねの骨)の間にしっかり入り込み、
膝を伸ばす際には、大腿骨と脛骨の間からしっかり表面に出てくる
このように形を自在に変えながら膝の曲げ伸ばしをスムーズにしています。
膝の痛みとの関係
膝蓋下脂肪体は柔軟性に富む組織であるため、なんらかの影響で硬くなると膝の曲げ伸ばしが阻害され、痛みを生じます。
- 膝の手術で炎症が起きた
- 膝を強く打った
- 足が浮腫んだ
- 変形性膝関節症などで関節の可動域制限がある
このようなことが生じると、膝蓋下脂肪体の柔軟性は損なわれ硬くなり、曲げ伸ばしに影響が出ます。
また、膝蓋下脂肪体には神経や血管が多く通っているため、膝蓋下脂肪体自体の疼痛も出現しやすくなります。
膝蓋下脂肪体のセルフケアとは?
膝蓋下脂肪体のマッサージ
膝をしっかり伸ばして座ります。
膝蓋腱の両脇をしっかり押し込みます。

脂肪体は柔軟性に富む組織であるため、しっかりマッサージすることで柔らかさを出すことが何より重要です。
注意!
厳密には脂肪体の可動性はそれほど多くありません。脂肪体を構成する組織に流れ込む血流を上げることが柔軟性改善に必要と考えられていますが、ここではわかりやすく脂肪体の柔軟性を改善させる表記で統一しています。〔荒川高光:臨床直結!解剖学抗議&深堀りディスカッション下肢編.p112,医学書院,2025〕
また、膝蓋骨自体の動きを出すことや膝関節をしっかり伸ばすことも重要です。このあたりは以前のコラムで紹介しているため、参考にしてみてください。
まとめ
膝蓋下脂肪体はあまり知られていない組織ですが、膝をスムーズに動かすために大切な役割を担っています。
日頃から柔軟性を保つことが膝のコンディション維持にもつながります。
やまべ整形外科では、膝の痛みや腰痛・スポーツ障害・骨粗鬆症の治療、リハビリテーションに力を入れています。
当院は南海本線「泉佐野駅」より徒歩約10分の場所にあり、駐車場も完備しております。
超音波診断装置を活用した正確な診断と、理学療法士による専門的なリハビリテーションを提供し、一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。
「腰の痛みが続いている」「どんなストレッチが効果的かわからない」など、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。適切な診断とリハビリで、症状の改善をサポートいたします。